日没後の京都は底冷えの寒さに。
レストランへ行く前に、以前の京都の割烹で知り気になっていた
『黒七味』を買いに、祇園・原了郭へ。
普通の七味とは異なる製法で作られる黒七味はお肉やグリルものに
合いそうです。
個人的にはチーズに合わせてワインのアテにしたいと目論んでいますが(笑)
美しく行灯でライトアップされた花見小路通りを入りいざ祇園へ!
今回の一番の目的であるフレンチレストラン『Kezako (ケザコ)』へと
ワクワクとドキドキを胸に細い小路を歩きます。
シェフのステファン・パンテル氏は、今はない祇園のフレンチ、フィリップ・オブロンで
スーシェフ(2番手)をしていた方で、同店は昨年の12月にオープン。
12のカウンター席からなるお店は、さながら高級割烹や寿司屋さんの様。
作る側と受け手が相対する“割烹スタイル”は、目の前のシェフやスタッフのキレイで卓越した
仕事ぶりを見てるだけでも楽しく、絶えず臨場感があります。
カウンター裏には竹の文様、席には1つ1つ違った美しい切子グラス。
ご案内された席に座り、料理はシェフのおまかせコースなのでワインリストを開く。
ん!?
やはりというか、フランスワインでラインナップされたリストに目を細める。
イタリアワインでさえ付け焼刃的な知識なボクはすぐにギブ””
すかさずサ-ビスの方を呼び選んでもらう始末。。
前に置かれたワイン置きがカッチョイイ””
さーボトルを抜栓してから、期待大!の祇園フレンチのスタートです!
◇奈良漬けを巻いたフォワグラの熟成 南国のソース 水菜 赤リリス
⇒アミューズは考えもつかない、素材合わせの妙!
口に入れると濃厚なフォワグラと甘みある奈良漬けの熟成が見事なまでの競演!
で、さわやかな4種のフルーツが入ってる南国のソースが料理をサラリと運びます。
◇カリフラワーとココナッツのパンナコッタ ズワイガニの身のサラダ
⇒センスあふれる蓋付きの器から出てくる料理。
蓋を開ければパンナコッタの上に生のカリフラワー、アサツキとゆずで合えたズワイガニのサラダが”
その上から温かい、カニの出汁と生姜で作ったソース(スープ!?)をかけてもらい頂きます。
シェフから
「冷たいパンナコッタと温かい出汁の温度差を感じて頂けると思います。」
!!!
温度までを料理した驚きの一品。
◇大徳寺納豆の香りをつけたフラン 焼いた椎茸とキノコの泡 仏産黒トリュフ
⇒またまた鮮やかな器に乗って出た来たお皿は、フラン(和食で言う茶碗蒸しの様な料理)や泡が何層も重なったパフェの様な料理♪
大徳寺納豆が気になってシェフにお伺いしたところ、
京都の大徳寺でしか作らない、通常の粘りがある納豆とは異なり黒く乾燥したもの。
シェフが現物を手に取り説明した後に、なんと!そのままを試食させて頂きました。
味わったことのない、塩味と香りでした。
◇里芋と白味噌を乗せたホウボウのロースト 大原の野菜のガルニ
⇒里芋のピューレと白味噌を乗せ焼き上げたホウボウに、
数種類もの野菜の付け合せは京都の大原と静原から。
旬の根菜を中心に、
カブ、赤カブ、レディース大根、ヤーコン、人参、黄人参、姫人参、姫大根、赤軸ホウレン草 などなど。。。
酸味と甘い香りの詰まったソースで。
魚よりも、色とりどりの野菜に目を見張る魚料理でした。
◇鯖のへしこを巻いた仔牛のインボルティーニ ポレンタと仏産茸のソテー
仔牛のジュのソース へしことクリームの泡
⇒“へしこ”とは魚に塩を振って糠漬けにしたもの。
柔らかい仔牛と合わさって何とも言えぬ幸福感。付け合せの茸がものすごく味が濃ゆくて美味。
仏産は偉大です。 周りを駆ける2種類のソースが豪華です。
◇Kezako流パフェ!?
⇒背の高いグラスで登場したのは、
一番下が落花生のジェラート、コーヒー風味のジュレと梨をサイコロ状にしたモノ、
マスカルポーネと豆腐のムース。
上には、ソフトな食感の焼き菓子!
いっぱい入ってるのにサラリと頂けます。
◇ガラスの階段に乗せた小菓子とエスプレッソ で締め
どの料理も出来立てをキッチンからカウンターへとシェフ自らが提供し、
1つ1つ丁寧に説明をされるサービスには、温かみを感じます。
そしてカウンターならではの、向かい合ってのコミュニケーションも、
南仏出身で来日6年目のステファンさんの丁寧でどこか陽気なトークが
場を盛り上げます。祇園にいるコトを忘れゆるりとした居心地が感じられました。
、、、いやぁシェフは実に日本語が達者でした(笑)。
コースはどれも驚きに満ち溢れ、それでいて全体のバランスが崩れることがなく
おいしいワインと雰囲気にくつろぎながら頂き酔わせて頂きました。
印象に残った料理は? と聞かれると、
開口一番にアミューズの『奈良漬けで巻いて熟成させたフォワグラ』ですね!
見た目と味のインパクトが強く鮮明に残っています。
おそらくシェフのスペシャリテ(代表的な得意料理)だと思います。
そんな京フレンチの雄 『Kezako』
四季を通して、また行きたいお店ですネ。